僕のデザイナーからエンジニアへの転職は成功したのか

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約2700字

この記事はLIGアドベントカレンダー2017のための投稿です。

僕は2015年に、それまでデザイナーとして勤めていた会社を退職してフロントエンドエンジニアとしてLIGに入社しました。今回は

  • 当時の自分がなぜエンジニアとして転職したいと思ったのか
  • 結果的にその選択が正解だったかのかどうか

という事柄について、入社2年後の今、LIGのアドベントカレンダーという機会を通じて検討してみようと思います。

※なお、以下「エンジニア」という言葉は「Webフロントエンドエンジニア」と同義としてお読みください。

なぜエンジニアに転職しようと思ったのか

先日の投稿にも書きましたが、僕はデザインと技術は切り離すことができないものだと思っています。

その上で、より優れたデザイナーになるにしても、より技術面での評価を得るためにも、このままデザイナーを続けるよりも一度技術者としての経験が欲しいというのが動機の根幹でした。

どんな環境でデザイナーをしていたか

前職では小さな会社でデザイナーをしていて、今思うと広い領域で仕事をしていました。

  • 書籍装丁・雑誌制作といったエディトリアルデザインの仕事
  • Web制作・フロントエンド実装などのWebデザイナーの仕事
  • 自社製品の導入提案・カスタマイズの要件定義・画面設計などSE的な業務

この会社の自社製品は、Webサイトと紙媒体の制作がワンソースでできることが売りの、非常にニッチなCMS製品でした。 そのCMSの性質上、デザイナーは紙媒体とWebの両方がデザインできて、さらにシステム開発の側面へも理解がなければならなかったのです。

初めての会社でとてもお世話になっていたのですが、入社5年目程度から徐々に転職を考えるようになっていました。

自分より詳しい人がいない

転機の1つは、まわりに自分よりもWebフロントエンドに詳しい人がいない、という状況に段々退屈してきたことです。

当時はWeb制作にSassやAltJS、Grunt/Gulpなどが定着し始めていた時期でしたが、社内でコマンドラインツールを使ってビルド環境を作れる人が自分しかいませんでした。他のデザイナーはそこへそんなに興味がある訳ではなく、やりたければ好きにやるという状況です。

JavaScriptについてもCoffeeScriptでOOP的な実装を意識するようになっていたのですが、具体的にどう実装するのが正しいのかが、自分ではよく分かりませんでした。

(サーバサイドエンジニアの同僚は、OOPはある程度分かるけどJavaScriptよく分からんという感じでした……。)

表現が保守的

前職は業務の幅広さが求められる反面、エッジのある表現はあまり求められていませんでした。これは、自分でデザインしたものを自分で実装する以上、自分で作れないものはデザインできないという弱みもあったからだと思います。

別にエッジのある表現をすごくやりたい訳ではなかったのですが、技術がないとデザインの幅も狭まってしまうというのが自分の中で問題意識としてありました。

技術サイドの実績を客観的に評価してもらえないかも

最初に触れた通り、デザイナーといいつつ実装やSE的な業務にも手を出しおり、自分の中では技術寄りのこともやれる実績があると思っていました。たしかに社内であればそのことは信頼してもらえるでしょう。でも、転職市場ではどうでしょうか……?

デザインと技術の両面を理解していることは非常に価値があると思うのですが、エンジニア職として雇われている実績がないと、その経験も正当に評価してもらえないのではないかという懸念を感じました。

エンジニアになってみた感想

給料微減→元の水準に回復

転職直後は1割弱ほど元の給料から下がりました。これは未経験職種への転職ならある程度は仕方がないと思い、将来への投資として割り切りました。1年ほどで元の水準。2年目でちょっと上くらいまで回復したので不満はありません。

デザイナーとしての経験はものすごく活きる

デザイナーの経験はエンジニアになってからも有用でした。

  • 資料作り → 説明/図が分かりやすいって言ってもらえる
  • ヒアリング → 扱うものが違うだけで、デザインのヒアリングと本質は変わらない
  • フロントエンド実装 → デザイナーが何をしたいのか調整や擦り合せがやりやすい

これまでの技術サイドの経験も活きた

実装に関するスキルは、新しい環境でもおおむね通用するものでした。当然、デザイナーが片手間に実装するのと、エンジニアが本分として実装するのでは要求される水準は違います。自分のこれまでの経験がエンジニアとしても通用するのかどうかは不安でしたが、結果的になんとかなったのは幸いでした。

ほかにも要件策定・仕様化のためのヒアリングやドキュメントの作成をしたり、Redmineの導入を促進したりなど、SE的なスキルを活かすこともできました。

技術に詳しい同僚とたくさん出会えた

あたり前なのですが、技術に詳しい同僚とたくさん出会えました。質問したり教えてもらったりレビューをしてもらったり……などで、デザイナーとして片手間に孤軍奮闘していたときに比べてかなりのスピード感で技術力が上がったと思います。

体感的にはこれまででの2年分の成長を半年くらいで実現できたように思います。

自分よりすごいデザイナーの作品を実装できる

明らかに自分よりも上手いデザイナーさんの作品を実装することが多いので、デザインにおいても勉強になります。今の環境でデザイナーとしての仕事をすることはありませんが、着実に色々なものを盗んでいると思います。

結論

一時的な年収減と、転職しなかった場合の年収増の可能性を犠牲にしての転職でしたが、そのリスクに見合う経験と環境を手に入れられたと思います。

また、LIGの環境は僕のように少人数でデザインも実装も何でもやっていた人がステップアップする場所としてはとても良い環境だと感じます(デザイナーにしても、エンジニアにしても)。

今後の自分の目標としては、エンジニア経験とデザイナー経験の両方が必要とされる場所にフィットする人材を目指していきたいと思っています。具体的には、プロジェクトマネージャーとアートディレクターが一緒になったようなものなのかもしれません……。

それでは、明日も引き続きLIGアドベントカレンダー2017をお楽しみください!

※投稿内容は私個人の意見であり、所属企業・部門見解を代表するものではありません。