子供のころから音楽館の「トレインシミュレーター」やタイトーの「電車でGO!」シリーズが好きで、大人になった今でも数年に一度は発作的にやりたくなってしまう。最新作の電車でGOはPS4とSwitchで発売されているが、なぜか専用コントローラーがSwitch用にしか販売されていない。
画質はどう考えてもPS4版の方が優れているのに、専用コントローラーのためだけにSwitch版を準備しなければいけないのはユーザーとしては不便きわまりない。
そこでネットで調べると、TITAN TWOというコンバーターをかませばSwitch用のコントローラーをPS4でも使えるらしい。ただ、このTITAN TWOはもともと安い製品ではなかった上に半導体不足で生産が止まり、現在は異常な高値(3万円とか4万円)でしか手に入れることができない。
Amazonを見ると、TITAN TWOのメーカーが出しているTITAN ONEという製品もあり、TWOに比べると価格が大分安い(メルカリで1万円くらい)。もしかしたらこっちでも同じようなことができるんじゃないかということでTITAN ONEを入手してみることにした。
結論から言うと、TITAN ONEとTWOは使えるスクリプト言語の機能が大分違い、スクリプトの互換性は無かった。TITAN TWO用のスクリプトをそのままTITAN ONEで動かそうとしても、TITAN ONEのスクリプト言語の仕様に合わないのでコンパイルが通らなかった。
しかし、どちらのスクリプト言語もC言語ベースであることと、同じメーカーなだけあってAPIも似ているため、今回の用途であればC言語スキルがゼロでも1時間くらいで移植することができた。移植元のスクリプトは一番評価が高かったZuiki Densha-de-GO! for PS4で、作者がGistでも公開していたのでフォークしている。
移植したスクリプトをTITAN ONEへ書き込んだ上で試すと、ほぼ問題なく動作した。
「ほぼ問題なく」というのは、TITAN ONEがPS4のコントローラー認証を回避する仕組みに制約があるためだ。
PS4のコントローラーには海賊版を弾くための認証の仕組みがあり、初回接続から数分に一度認証チェックが行われる。認証に通らないコントローラーはこの時に無効化されてしまう。TITAN TWOもTITAN ONEも、PS4の正規品コントローラーを接続してこの認証をバイパスする仕組みがあるのだが、TITAN ONEの場合はUSBポートが物理的に1つしかないため、今回の用途ではこの方法を使えない。
TITNA ONEにはもう一つPS4用の認証回避のオプションが用意されているが、この機能は認証が実行される前に一瞬コントローラーの接続を解除して再接続する、という挙動が発生する。この一瞬の間はコントローラーからの入力が無くなるため、プレイに1秒未満程度ではあるが支障が出る。電車でGOの場合、約4分に一度、1秒未満ノッチがニュートラルに戻るという挙動となる。
この挙動がどの程度プレイに影響するかは微妙なラインで、加速中やブレーキング中はタイミングが狂う場合もある。ゼロピタ(列車を停止位置0.0センチで止めること。めちゃくちゃ難しい)を狙うようなガチ勢にとっては絶対に許せないだろう。
しかし、込め直しなし(駅停車時にブレーキを緩めたあともう一度強くかける、という行為をしないこと)ボーナスすら取れないプレイスキルの自分にとってはそんなに気にするほどではなかった。
運悪くブレーキング中に再接続が発生したときは、回生失効が起きたとかで脳内補完している。
電車でGOのコントローラーは初代・Type2・ワンハンドル・新幹線・旅情編・MTCなど、PS/PS2で使えるものはだいたい使ったことがあるが、おおむね玩具的なデザインで、最初から大人向けに作られていそうなMTCを除くとおもちゃっぽすぎるのが否めなかった。
ところが今回発売されたZUIKIのコントローラーは非常に質感が良く、おもちゃっぽさが少なくてかなり良かった。PCゲームのコントローラーとしても使えるので、鉄道シミュレーターを遊ぶならぜひ手元に揃えて損はないと思う。
MTCみたいに販売終了後に高騰したら嫌なので、定価で販売されている内に購入しておいた方がよさそうに思う。今はちょうどスケルトンバージョンが再販されていたので定価で入手できた。
TITAN ONEでPS2用のコントローラーも使いまわしたりできないか期待してみたものの、そういう使い方はできそうになかった。残念。
ちなみに、Windowsであれば変換できるフリーソフトがあるのでJR East Train Simulatorなどで使うことは可能。
TITAN ONEのプラグインとして、PC側の入力をゲーム機側へ中継する(?)ような機能(MaxAim DI)らしきものがあったので、このあたりを駆使したらPS2コントローラー>PC>TITANE ONE>PS4という回りくどい方法で変換することは不可能ではないのかもしれない。そこまでして使いたいかというとやる気はでない。
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